藏田 美香 様
亡くなられた御祖母様のきものを纏うと、今でも側にいるような”包まれた安心感”箪笥に眠っていた御祖母様のきものを着たくて着付けを始めた。
───はじめて、きものを着たのは?
2歳10ヶ月で日本舞踊を習い始めたときです。そのころから、きものを着る機会は沢山ありました。ただ着付けは、母、祖母、先輩方にお願いしていたので自分で着付けることはありませんでした。
───着付けを習おうと思ったきっかけは?
家にある何十年も開けていない和箪笥の整理をすることになり、亡くなった祖母のきものがでてきました。昨年呉服屋の方にお願いして、御直しして着る価値があるきものと、そのままにしておくきものとに仕分けをしていただいたんです。そして整理をして洗い張りをし、自分のサイズに仕立て直しをしましたので、そのきものを着たいと思ったのがきっかけです。 またいままでは母に着付けてもらっていましたが、母も高齢で昨年着付けてもらったときにこれは永遠ではないなと思ったんです。自分で覚えておかなければ、きものを着なくなってしまうだろうと感じました。それも着付けを習い始めようと思うきっかけです。
───ほかも着付け教室ありますが、青山きもの学院を選んだ理由は?
自分は着付けを習っても、きものの購買を言われるのは嫌でした。そして様々な着付け教室を調べたんです。口コミを見たていたら、こちらの評価が高かったんです。『先生がよい』『アットホーム』『安心ができる』など。あと、職場からも近かったのも理由のひとつですね。
───まだ学ばれている最中ですが、自分で着付けるようになっていかがですか?
いままでも、帯は締められなかったけど長着までは着ることができたんです。ですから変な癖がついてしまっていて、綺麗に着るというよりただ実用的に着る癖がついていました。どのように着付けたら綺麗に見えるかを体得していくのが今の課題です。
───新しい発見をされながら学ばれてますね。
ええ、子供の頃からきものに慣れ親しんでいたのに、知らないことばかりです。 きものは日常にあったのですが、“歴史”“紋様”“格”などは、いままで考えていませんでした。これまでは『今日はこれを着てね』と出されていたものを着てました。新しい知識を吸収していくなかで『それってそういうことなのね!』と発見があって楽しいです。
───入学されて、学院の印象はいかがですか?
先生が、”楽しい先輩”という感じがします。親しみやすいお人柄の先生方で、判らないことを質問しやすいです。
───生徒さんは、どのような方が集まっていますか?
主婦の方、お勤めの方、業種も様々ですが、類は友を呼ぶっていいますか、ここにはそういう方が集まるのっていうくらいみなさんふわっとしていて、人を寄せ付けないというところがなく、溶け込みやすい雰囲気があります。
───今後の目標や夢はありますか?
今はあまり考えてないのですが、とりあえず自分できちんと着たいというのが目標です。卒業後は、人に綺麗に着付けられたらと思います。周囲の友人達も話しているんです。『きものは家にあるんだけど着られず、箪笥に眠っている』と。お祖母様やお母様から譲られたり、結婚するとき持たしていただいた大事なきものを箪笥の中で眠らせている人多いですよね。 あと一番気に入っている祖母のきものがあって、青い波のような抽象的なきものを今仕立て直してもらっているんです。それを着て観劇やパーティーにいくことが楽しみにしている夢です。祖母のきものを着ていると、“祖母に包まれている”感じがするんです。『あー、これ着てたよね』と祖母が近くにいるような安心感がある。それがとても嬉しいんです。
───藏田さんにとって、きものはどんな存在になっていくのでしょう?
特別なものではなく、洋服感覚で普段の生活に溶け込ませたいと思っています。
───着付けを始めたいけど迷われているという方にメッセージをお願いします。
きっかけですよね。わたしも、ずっと何十年も迷っていたんだけど、ふと去年の暮れ『あ、このままじゃだめ』と思ったんですね。わたしもこれからは普段にきものを着て、それを見た人がきものや着付けに興味を持つきっかけになれば、それもまた嬉しいですね。
───藏田さん、わたしも箪笥に眠った祖母のきものを着たくなりました。
心温まるお話ありがとうございました。そのほかのお声について
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